アセトアミノフェン中毒

アセトアミノフェン中毒について>
  • 肝障害が予想される摂取量は小児では150mg/kg以上(250mg/kg50%300mg/kg以上で100%肝障害)

<肝機能障害の機序>

アセトアミノフェンは硫酸、グルクロン酸抱合により代謝・無毒化されるが、服用量が多くなると、肝毒性のあるN-アセチルパラベンゾキノンイミン(NAPQI)が生成される

②NAPQIはグルタチオンにより抱合され代謝されるが、アセトアミノフェンの大量の摂取で硫酸・グルクロン酸抱合の処理能力を超え、NAPQIがさらに増加

③その結果グルタチオンが消費、枯渇されNAPQIが抱合されなくなるとタンパクに共有結合して肝細胞壊死を引き起こす

 

<基本的治療>

 ・催吐・胃洗浄:1時間以内であれば検討

 ・活性炭:摂取後4時間以内であれば投与推奨

<特異的治療>

 ・N-アセチルシステイン投与

・国内ではあゆみ製薬会社のアセチルシステイン内用液17.6%が販売

血中濃度のピークは30半減期2.6時間

・特徴として、特異なにおいがある、味は塩からく、わずかに苦く、えぐみが

 ある(添付文書より)とされておりジュースと混ぜて投与することもあり

・国内では承認されていないが、海外では注射製剤も使用されている

 初回量5%希釈液で140mg/kgを経口投与

 維持量:5%希釈液で70mg/kg4時間毎に計17

      延べ72時間)経口投与

 

N-アセチルシステインの作用機序

①グルタチオンの前駆物質であるN-アセチルシステインを投与することによりグルタチオンが増加

②肝毒性のあるNAPQIのグルタチオン抱合を促進させ、NAPQIを代謝・無毒化し肝障害の発現を防ぐ

 

Rumack-Matthewのノモグラ

4時間値と24時間値を結んだラインが投与推奨ライン。